血圧は薬、降圧剤を飲んで下げる必要性は本当にあるのか?

血圧が高いと下げるのが当たり前‥。

健康診断などを受けて、血圧が高い!って言われれば、病院に言って必要であれば、降圧剤を飲むっていうことは当たり前になっていると思います。

僕も血圧が高いので、健康診断の度に診察を受けろと言われるわけですが、降圧剤を飲んで、血圧をコントロールされるのが嫌なので、自分の責任で受診しません。

降圧剤を飲むことで、血圧は下がると思いますが、血圧が高かった原因が解消するわけではないですからね。

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血圧が高いと脳梗塞のリスクが高まる理由がよくわからない

血圧が高いと脳梗塞になる…ってテレビでもよく聞きますし、一般的にもよく言われますよね。

でも、血圧が高くて血管に負担がかかるなら、血管が詰まるんじゃなくて、血管は破裂する方向にいくよね…。

だから、『血圧が高い=血管が詰まる』ってすごく違和感があるんです。

脳梗塞とは、血栓(小さな血の塊)によって脳の血管が詰まる病気です。血管が詰まりかけると、心臓はポンプの圧力を上げて、血の塊を吹き飛ばそうとします。血圧を上げることで、脳を守ろうとするのです。「高血圧が脳梗塞の原因」ではなく、「脳梗塞を治すために血圧を上げている」状態なのです。

http://toyokeizai.net/articles/-/165192?page=2より引用

この記事にある通り、血圧が上がるのには理由があるっていうことなんです。

体が必要に応じて血圧を上げているのに、無理やり下げることで脳梗塞になる可能性があるってことです。

脳梗塞になると、命が助かったとしても、体の半分が麻痺したり、言語障害がでたり、認知症の症状がでたりします。

血圧を下げてしまうことで脳梗塞になったらたまったもんじゃないですよね。

高血圧の基準はどんどん下がっている

今の高血圧の基準は、収縮期血圧(上)140mmHg、拡張期血圧(下)90mmHgです。

病院で血圧を測ってもらって、この血圧を超えていれば高血圧です。

この血圧は日本高血圧学会が様々な研究から、高血圧の診断になる基準を決めているんですね。

ただ、この数値も疑問に残る事があって、2014年に日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、人間ドックを受けた150万人のデータを統計的に分析した結果、収縮期血圧(上)147mmHg、拡張期血圧(下)94mmHgの範囲内の人は95%が健康だったという結果を出しています。

これに、日本高血圧学会が猛反発して、ポスターまで作って高血圧の基準は、収縮期血圧(上)140mmHg、拡張期血圧(下)90mmHgだとアピールしています。

血圧の基準が下がると高血圧になる人がどんどんと増えて、降圧剤の適応になる人が増えます。

高血圧の基準が低くなると、得をする人がいるってことなんです。降圧剤が必要と診断される人が増えますからね。

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降圧剤の薬の種類

では、血圧を下げるための降圧剤にはどんな種類のものがあるのか簡単に見ていきます。

Ca拮抗薬

血管を縮めたり広げたりするのには、血管についている筋肉(血管平滑筋)が関わっています。血管の筋肉が縮めば血管が細くなり、血管に圧力がかかるので、血圧があがります。

そこで、血管の筋肉が縮むのに必要なカルシウムイオンの働きを抑えて、血管が縮むのを防いで、血管が広がっている状態にして、血圧を下げる薬です

ACE阻害薬

血圧を上げる作用をする体内で作られる物質にアンジオテンシンⅡというものがあります。

このアンジオテンシンⅡという物質は「アンジオテンシン変換酵素」という酵素が働きかけることで作られます。

ACE阻害薬はアンジオテンシン変換酵素働きを妨げることで、血圧を上げるアンジオテンシンⅡが作られるのを抑えて血圧が上がるのを防ぎます。

ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)

先程出てきた、ACE阻害薬は、アンジオテンシンⅡを作ることを抑えることで血圧を下げる役割をしますが、ARBはアンジオテンシンⅡが受容体に結合するのを防いで、末梢血管を広げます。

作られたアンジオテンシンⅡは副腎皮質という場所にある、受容体に結合することで、血圧を上げる働きかけをします。

ARBはアンジオテンシンⅡの代わりに受容体に結合することで、アンジオテンシンⅡの働きを抑えて、血圧を下げる役割をします。

利尿剤

利尿剤は色々な種類のものがありますが、よく使われるサイアザイド系列の利尿剤作用はこうです。

腎臓では血液中の老廃物を体の外に出して、必要なものは再び体の中に再吸収されます。血液中の水分とナトリウムの量を調整しています。

サイアザイド系の利尿剤は、腎臓の中での、ナトリウムの再吸収を阻害し、ナトリウムと水分の排泄を促すことで、血圧を下げます。

K保持性アルドステロン拮抗薬

副腎皮質という場所から分泌されるホルモンにアルドステロンというものがあります。

アルドステロンは、腎臓で血液が濾過された中から再び体の中にナトリウムが吸収されるのを促進します。

ナトリウムが再吸収されると、水分も一緒に再吸収され、血液の量が増えることで、血圧があがります。

K保持性アルドステロン拮抗薬は、腎臓から分泌されるホルモン、アルドステロンの働きを妨げ、腎臓でのナトリウムと水分の排泄を促して血液量を減らし、血圧を下げます。

α遮断薬

自律神経の中で交感神経は、車でいうアクセルの役割。

交感神経の働きが高まると、ノルアドレナリンと言う物質が分泌されます。

ノルアドレナリンは、血管にあるα受容体という場所にひっついて、血管を収縮させ、血圧が上がります。

α遮断薬は、ノルアドレナリンがα受容体にひっつくのを防いで、血管を広げて、血圧を下げます。

β遮断薬

交感神経が働くと、ノルアドレナリンやアドレナリンという物質が分泌されます。

このノルアドレナリンやアドレナリンという物質が、心臓にあるβ受容体という場所にひっついて、心拍数が上がって血圧が上がります。

β遮断薬は交感神経の働きが心臓に伝わるのを防いで血圧を下げます。

血圧の薬をこうやって見てみると

  • 血液の量を減らして血圧を下げる薬
  • 血管を広げて血圧を下げる薬

の2つに大きく別れます。

こうやってみてみると、ドロドロの血液をサラサラにして、血圧を下げるとかそういうことではないんです。

血液の量を減らせば、血管の中を流れる血液の量が減り、血圧が下がる。血管を縮めなければ血圧が上がるってことなんですね。

降圧剤を飲むことを否定しているわけではない

血圧が高い状態がいいっていうわけではありません。

血圧が高いと血管の壁を押し続けて、血管にストレスがかかります。

血管にストレスがかかりすぎると、脳梗塞にはならなくても、血管が破れて脳出血になる可能性もあります。

血圧が高すぎれば、血圧を下げる必要はあるっていうことです。だから、降圧剤は必要な人もいるのは当たり前のことです。

降圧剤を飲む前に自分で血圧を下げる努力をするべき

血圧が高いって言われてすぐに降圧剤を飲んで、血圧を下げることができれば、薬を飲めば大丈夫と血圧が正常に戻ったと思い、血圧をコントロールすることは薬に頼ることに慣れちゃいます。

ただ、降圧剤を飲んでも、血圧が高い原因がなくなったわけではないから、薬をやめることができなくなります。薬をやめたら元に戻ります。

血圧を下げるためには自分でコントロールする努力が必要だということです。

食事だったり、運動だったり、まずは自分でできることをやって無理なら降圧剤に頼った方がいいです(すぐに血圧をコントロールしないと命の危険がある人は除いて)

そうしないと原因はわからないし、血液の量をコントロールしたり、血管の筋肉を緩めて血管を広げても、血液がドロドロなら、そっちの方が問題ですしね。

血圧は、医師と相談しながらコントロールすることが必要ですが、すぐに降圧剤を出す医師じゃなくて、体の状態をしっかりとみて、他の血液の状態もみて薬を検討してくれる医師の方が信頼できます。

薬には副作用が多かれ少なかれ必ずあるので、できることなら飲みたくありません。

病気にならずに健康を保つためには医師の相談しつつ自分で努力したり、意識することが重要です

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