高血圧を下げるにはANPの分泌を促す。プールが効果的。

8月2日放送のみんなの家庭の医学で、高血圧を下げる方法が紹介されていました。高血圧を下げるポイントはANPとプールです。

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高血圧のしくみを簡単に

血圧が高くなる大きな原因は塩分のとり過ぎですよね。塩分を摂り過ぎると、塩分を薄めようと、血管内に周りの細胞から、水分が集まります。そうすると、血液の量が多くなり、血管の壁を圧迫してしまうんです。

これが高血圧の原因になるんですね。血圧が高い状態が続くと、血管の壁の柔軟性がなくなって、動脈硬化を引き起こしてしまいますよね。

動脈硬化なった血管に高い圧力がかかると、心筋梗塞や脳卒中など、血管に関わる病気にかかる可能性があるんです。

海人さんの血管年齢が若い

海のもぐって漁をする海女さん。平均年齢65歳の海女さんの115人の血管年齢を調べると、実年齢よりも平均11歳も若かったんです。

海女さんの血管が若いということは、血管の柔軟性も高く、血圧のコントロールができているということがいえるんです。

海女さんの血圧について教えてくれるのが、東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌先生です。

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海に潜ることと血管年齢にはどんな関係があるのか

海女さんは海に潜って漁をするわけですから、水に潜ることによって身体に水圧がかかります。その水圧でANPというホルモンが分泌され、ANPが血管年齢に関係するんです。

水に潜ると水圧が全身にかかることになります。特に柔らかい手足の静脈が圧迫されます。

すると心臓により多くの血液が戻ることになり、心臓の一部が大きく拡張することになります。心臓が大きく拡張したときに、心臓の筋肉から、ANPが大量に分泌されるんです。

ANPとは

ANPとは心房性ナトリウム利尿ペプチドのことで、心臓で分泌されたANPは血液にのって全身に運ばれますが、特に大きな影響を受けるのは腎臓です。

ANPが腎臓に働きかけると排尿が促されます。すると、身体の中から塩分が尿とともに体外に排出されるんです。

その結果、血圧が低下し、血管を若く保ってくれるんです。

事実ANPは血圧を下げて心臓への負担を減らせるため心不全の治療薬として使われています。ANPは医学界でも認められた血圧改善ホルモンなんです。

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実際の海女さんのANPは

番組に登場していた伊勢の海女さん3人は、約5mの潜水を1分間×30回をおこなっていましたが、潜水直後のANPの変化をみると以下のとおりでした。

  • 1人目 28.8→44.5
  • 2人目 21→73.1
  • 3人目 30→129.6

とANPの分泌される量は増え、血圧はもちろん正常範囲ですし、血管年齢も実年齢よりも10歳以上若いという状態でした。

じゃあ一般のワタシたちがどう活かすかですよね。まさか每日海に潜るわけにはいきません。そこで、次に実験されていたのが、プールに浸かるとANPが増加するのかという実験でした。

プールでどこまで浸かるとANPが分泌されるのか

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プールに入るといっても、身体のどこまで浸かるかによっても身体に受ける水圧は全然違います。

番組内の実験では、浸かる位置を「膝」「腰」「みぞおち」「クビ」の4ヶ所に分かれて10分間プールに浸かるというもの。それぞれ、2人ずつで実験をおこなっていましたが、2人とも効果がでたのは、クビまでプールに浸かるというものでした。

クビまで浸かってひた人のANPの変化は下のような実験結果に

  • 1人目 10.3→16.6
  • 2人目 20.5→38.6

ANPの量がふたりとも増えていた結果を受けると、少しでも深いところまで、身体を沈めて水圧をかけることが大事だということがわかります。

ただ、みぞおちまで浸かったグループでも1人は「11.1→28.7」と大きくANPの量が増えていたので、個人差があることは間違いありません。

さらに、番組の中の実験で1人の男性が一般的なプールで4時間半家族と過ごした結果、ANPは12.6→31.6と増加したうえに、ANPが増えた後は血圧も下がっていました。

プールに入ることで血圧を下げてくれることが期待できそうです。

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血圧が高めで、なかなかさがりにくいなぁって言う人は、ジムに行って深めのプールに入ってゆっくりと歩くのもいいですよね。

全身に水圧はかかりますし、全身運動にもなるので、おすすめです。

ANPは血圧を下げる役割だけではなく、将来的にはガンの転移の予防にも役立つと期待されている物質でもあるんです。

プールが苦手だという人は息が弾むぐらいの速度でウォーキングをすれば、ANPが分泌されるので、できることをすればOKです。

ただし、血圧が高くて治療を受けている人や高血圧を投薬治療中の方は決してやめずに担当医と相談の上で行ってくださいね。

みやび